腰上オーバーホール 【2008/05/12】
- ・台湾製スタンダードシリンダーキット 49cc // 6,190円 (ヤフオク・送料込み)
- ある日、突然のエンジンストールと共にキックペダルが降りなくなってしまい、 ピストンの焼きつきだと思いこんでしまい腰上OHをすることにあいなりました。
- 本当なら一度エンジンを開けてから、症状を確認して交換部品を決めるべきなんでしょうが、 もうめんどくさくていっぺんに全ての作業を終わらせたかったのでシリンダーキットを注文してしまいました。
- ま、補修程度なら台湾製でいいでしょ!ってか一回使ってみないとねってことで、ヤフオクで安いものを購入しました。
- 早速現物を確認してみたんですが、予想外に綺麗に作ってあると思いました。
- ポートのバリがどうだとか聞いてたんですが、なんか指でなぞってもほとんどひっかかったりしなかったです。
- それでも一応台湾製なので、ほんと気持ち程度に耐水ペーパーで面取りをしてみました。
- それでは以下【作業】です。
- エンジンオイルを塗って組み付けるのでなんらかのトレイを用意したほうが良いです。
- とりあえず、シリンダーがむき出しになるように、周りの部品を取っていきましょう。
- 外装、メットイン、マフラー等外したら、マフラー側にある強制空冷ファンのカバーを外します。 ネジが固くなっていることがあるので大きなドライバーでいっきに回しましょう。ナメたらTHE END。嘘です。
- この変のカバーも外します。ネジ類は分けておいたほうがいいかもしれません。
- エンジン回りはヘドロ状になったオイルや砂埃などでめちゃくちゃ汚かったので、 パーツクリーナーとキッチンペーパーでとことん綺麗にしときました。
- やっぱ綺麗になると気持ちが良いです。せ、整備の基本は洗車だなやっぱす!
- シリンダが見えました。
- 下に落ちてるオイルのカスみたいなのが酷いですね。綺麗にする良い機会でした。
- まずプラグを取ってしまいましょう。プラグコードはカバーを外す際にあらかじめ取ってあります。
- 次に、シリンダーヘッドがナット4つで留まっているので、まずはナットを取りましょう。
- ナットを外してしまえばヘッドは外れるので、無理な力をかけないようにしてスッとヘッドを抜き取ります。
- シリンダーヘッドが取れたら、ヘッドガスケットを取って、次はシリンダーを抜きます。これも無理にこじったりしないようにしてください。
- このとき、シリンダーとクランクケースとの間にあるベースガスケットが固着してたりして、 なかなかシリンダーが抜けない場合があるそうですが、そのときはキックペダルをゆっくり操作してピストンをシリンダーの一番下に持ってきた後、 ゴムハンマー等で軽くコンコン叩いてやるといいそうです。ほんとに軽くね。
- シリンダーが取り出せたら、クランクケースに張り付いてるであろうベースガスケットを剥がしましょう。 固着してるときでも、クランクケースに傷をつけたりしないよう慎重に剥がして下さい。
- 2枚のガスケットは基本的に交換するので、用意しときましょう。俺はセットについてました。
- ピストンとご対面。クランクケース内に異物が入らないよう、ウェスででも覆っておきましょう。
- 下向きに矢印がありますね。排気側のマークだと思います。
- まず、サークリップをひとつラジオペンチかなんかで外して、ピストンピンを抜き取ったらピストンが取り出せます。
- このとき、クランクケースをウェスで覆っていないとサークリップがクランク内に飛び込む可能性があるので気をつけましょう。
- サークリップは再使用不可ですので、古いものは取り外しの際に曲がってしまってもいいと思います。
- サークリップを取ってもピンは割と固いので、鉛筆などで押し出したら良いです。
- ピストンを取ると写真のようになります。これがコンロッドとベアリング。
- ピストンを取り外したら、コンロッドが見えますがピンが入っていた場所にベアリングがあるので、これも無くさないようにトレイにでも置いておきましょう。 これはセットに入っていなかったので再使用します。
- 写真は上から見た図ですが、これを見れば多少はピストンの固定の仕方が判りやすいでしょうか。
- ピストンはピストンピンでコンロッドに固定され、
- されにピストンピンは2つのピストンピンサークリップという、バネのような部品で固定されています。
- ピストンピンとベアリングです。ピンは付属していたので交換します。
- これらの作業をするときも、無理に力を加えたりすると腰下にまでダメージがいったりするので、気をつけてください。 特にサークリップは初めはなかなか取れないですが、根気良くやってコツを掴んでください。
- ピストン取れました・・・てあれ?焼きついてなくね??
- シリンダーも超綺麗なんですけど・・・。
- ・・・(´・ω・`)まさか
- \(^o^)/焼きついて無かったー
- でもここまできたら折角なので交換してみるのです。
- ここからは外したときの逆の順序で組みつけていくだけですが、注意する点もいくつかあります。
- まずはピストンにピストンリングを組み付けます。
- ピストンとピストンリングにエンジンオイルをかけて、リングをピストンにはめ込みます。
- リングが2本ある場合は下から組みます。このとき、上と下のリングで区別されている場合があるので注意してください。
- また、ピストンにはノックピンというポッチがありますので、そこにリングの切れ目を合わせましょう。
- リングが入ったら、先に片方のサークリップを取り付けておきます。
- この時、上手く入らないからといってクリップに力をかけすぎて変形させてしまうと、 走行中にクリップが外れてエンジンがお亡くなりになることがありますので、十分に注意してください。
- 失敗したときのために、いくつか予備を用意しておいてもいいかも。俺は運良く上手くいきました。
- ピストンの片方にクリップが付いたら、いよいよコンロッドに組み付けです。
- ピストンピンやベアリングもオイルを塗っておきましょう。
- まずコンロッドにベアリングを入れ、ピストンをかぶせ、ピストンピンをクリップの付いていない方から差し込みます。
- どこかで見た写真なのは気のせいです。
- またもや鉛筆などでピストンピンを奥まで入れたら、もう片方のサークリップを取り付けます。
- どこかで見た写真なのは気のせいです。
- ピストンを組む際、向きに注意してください。逆に組んでしまうと、腰上が終わります。 説明書きを読むか、もともと付いてたピストンを参考にしてください。
- ピストンが取り付けできたら、ベースガスケットを入れて、シリンダーを組みます。
- シリンダー内部にもオイルをたっぷり塗っておき、ピストンリングの切れ目をピストンのポッチ(ノックピン)に合わせて、 ピストンリングを手で押さえながらシリンダーをまっすぐに入れていきます。
- ポッチ(ノックピン)にリングの切れ目があっていないと、上手くシリンダーが入りません。 無理やり入れたりしないように注意してください。
- シリンダーをまっすぐ入れたら、とりあえずシリンダーを手で押さえながらゆっくりキックペダルを数回降ろして下さい。
- 今度はヘッドガスケットを入れて、シリンダーヘッドを組みます。
- ヘッドが入ったら、最初に外したナット4つをとりあえず手で締めます。
- 工具でナットを締める前に、再びキックペダルを数回下ろして、シリンダー(ピストン?)のセンター出しを行います。
- センター出しとは、ピストンとシリンダーのクリアランスを適切な位置にすることだそうです。
- ジョグは横向きエンジンなので、フロントを垂直に上げてピストンを縦にしてからセンター出しを行わないと、 重力の影響を受けて適切なセンターが出せないかもしれませんが、俺は普通の状態でやってしまいました。
- センター出しを行わないとエンジンが焼きついてしまうそうですので、注意しましょう。
- とりあえず最初のセンター出しが済んだら工具でナットを締めていきますが、この時少しずつナットを締め、 そのたびにキックペダルを下ろして数回センター出しをしましょう。セルを回しても良いみたいです。
- また、ここではトルクレンチを使って、規定トルクで締めつけましょう。
- ジョグのヘッドのナットの規定トルクは14N/mとネットで調べましたが、 これが正しい値なのかはサービスマニュアルを持ってないので判らないです。
- 勘で締めつける場合も、(推奨はしません。)4つのナットのトルクが出来るだけ均等になるようにだけはして下さい。
- まぁでもトルクレンチ買ったほうが良いです。ちょっと高いですけど(´・ω・`)
- 後はプラグを装着するだけで、腰上OHは完了です。どうせならプラグは新品に交換しときましょ。
- なんか不具合があるといけないので、外装を組んでしまう前にエンジンがかかるかチェックしておいた方が良いです。
- オイルをたっぷり塗ってあるので、最初はなかなかエンジンがかからないかもしれませんが、根気良くキックをしてください。
- エンジンかかったあとも、しばらくは白煙が凄いでしょうが、いずれ収まります。
- 新しい部品を組んだのですから、当然数100キロは慣らし運転はしましょう。
- 焼きつきが怖ければ慣らし時だけガソリンにオイルをちょろっと混ぜたり、 ウエイトローラーを重くしたりしても良いと思います。
- 俺はいろいろあって、ウエイトローラーを若干重くしてあるので、 加速がちょっともっさりしてますが、元気に走ってくれます。
- ちょっとだけ音がうるさくなった気がしないでもないですが、慣らし時で十分に力強く回ってくれています。
- 台湾製といえど、侮れないですねホント。
- また、トラブルなど出てきたらこのページに随時追加していきます。
- 【追;2008/10/07】
- 今のトコ、トラブルなどはありませんが出力の違いを確かめるために純正のシリンダ&ピストンに戻しました。
- ピストン上部に軽くキズが付いてました。キャブはむしろ濃いめだったので、センター出し不足かな?
- 台湾製シリンダは加工の実験台にすべく、しばらく封印です。
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