スクーター変速機の仕組 【part02 動作編】
さてまずは走行中のプライマリ側の動きです。
速度0の時の状態。
WRが内側に留まっているので、プーリーとフェイスは離れていて、ベルトは落ち込んでいます。
そしてコレが最高速を出している状態。
WRが外側へ移動しプーリーを押しやり、プーリーとフェイスの隙間が狭くなってベルトが上に上がってきています。
そしてその分、今度はセカンダリ側にベルトが落ち込んで、ベルトの形が【<】型から【>】型になるわけです。(左を車両の前方向としたらね)
動画で見たほうが判りやすいと思います。クリックで再生。音量注意!
こんな感じになったのが判りましたか?
自転車をイメージしてもらえば判ると思うんですが、前の歯車が小さくて後ろの歯車が大きいほど ペダルが軽くて漕ぐのに力は要らないですよね?
でもスピードが出てくると、そのままでは漕いでも漕いでもスピードが出ないのでギアを上げます。スクーターはそれを自動で行うような感じです。
スクーターでは、プライマリ側にベルトが落ち込んでいるほど、前が小さい歯車になっているのと同じように考えられる為、鋭い発進ができるわけです。
ベルトが落ち込んでいない場合、高いギアで発進するようなものですから、スピードが乗るまでは加速できないですよね。
自転車で高いギアで発進するのをイメージしてください。最初は重くて大変です。
まぁそんなわけで駆動系の基本的なセッティングというのは、速度0から最高速まで、 一番パワーの出るエンジンの回転数を維持できるタイミングでベルトが動くようにWRの重さを設定するということなわけです。
自転車に乗っている時、ペダルが重すぎて足がゆっくりしか動かなかったり、軽すぎて空回りしててはいけませんよね。
それを適度な足の回転数にできるようにギアを選ぶことが、WRのセッティングと同じことだと思います。(足の回転数=エンジンの回転数のイメージ)
【WRの話】
さて、ちょいとここでWRの話にしましょう。WRとは、その名の通りローラーの重りです。
こいつを軽くしたり重くしたりすることで、
プーリーが動くタイミング→ベルトの移動するタイミング=ギアを上げるタイミング
を変更させることができます。
とりあえず、
φWRを重くする→変速タイミングが早くなる(高いギアで低回転で走る。)
φWRを軽くする→変速タイミングが遅くなる(低いギアで高回転で走る。)

と覚えときましょう。
その理由をちょこっと考えてみました。こっからは俺が勝手に考えた内容です。
回転する物体が受ける遠心力(F)は質量(m)×速度の2乗(v~2)÷中心からの半径(r)で求められます。
pic
↑計算式(右のr/rはほっといて良いと思うよ)
まぁ【r】や【v】も移動の途中で変化するっちゃするんですが関係ないので今は置いといて、とりあえず【m】を見ましょう。
WRを換えると当然【m】の値が変わります。WRを重くして【m】が大きくなると【F】も大きくなりますな。
遠心力は回転の中心から見て外側にかかる力なんですが、WRから見るとそこには上手い具合にランププレートがあるのね。
超判り辛い図ですが・・。とりあえず【F】は【Fy】に分解されてランププレートを押す力になります。 (正確にはもう一回分解されると思いますが図を書くのがめんどくさかったので省略。)
すると、【m】を増やす、つまりWRを重くすると【F】すなわち【Fy】が増え、ランププレートを押す力が強くなります。
そうなったらプーリーは、より早いタイミングでベルトを押し出し、つまりは早いタイミングで変速するっつーことです。
反対にWRを軽くすると今度は【Fy】、つまりローラーがランププレートを押す力が弱くなり、変速のタイミングも遅くなるというわけです。(だと思う)
正直、自分でも超ワケの判らん説明なのでこんなんで納得できる人がいたら感心しちゃうよ(´・ω・`)
とりあえず、
φWR重く→変速早い。回転低い
φWR軽く→変速遅い。回転高い

っと、覚えときましょう\(^o^)/
ちょっとこれは・・・セカンダリの動作編はもう1ページいきます・・・(´・ω・`)

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